会社合併の具体事例

以下の事例は、平木司法書士事務所にあった事例のうち、一部内容を変え、作成しております。

　登場人物

　万博株式会社（存続会社）、株式会社おりんぴっく大阪（消滅会社）
代表取締役　いずれも　万野博一

　平木寛二司法書士

　万野博一社長からの相談

万野：平木さん。ちょっと相談があるんですけど・・

平木：いつもありがとうございます。どのようなご相談ですか？

万野：私が全株所有している会社で、万博株式会社と株式会社おりんぴっく大阪の二社があるんですけど、この二社を合併して一社にしようと思ってます。

平木：なるほど

万野：会社の事業内容としては、同じようなことをしていますし、会計も二つに分けててややこしいので、この際一つにしようと思いまして。

ただ、合併の手続はややこしいと聞いたんですが、一体何から始めたらいいのかわからんのです。

平木さんのホームページを見たら、合併契約書とか、債権者への通知が必要と書いてますね。

平木：そうですね。
ちなみに存続会社はどちらですか？

万野：万博株式会社のほうです。

平木：消滅会社は黒字なのでしょうか？

万野：いいえ、赤字会社です。

平木：合併によって、資本金は増やすご予定ですか？

万野：いえ、増やしません。

平木：合併後、会社名は変更されるのですか？

万野：はい。合併後は万博株式会社から、大阪万博株式会社に変更したいと思ってます。

平木：分かりました。合併はいつ頃したいとお考えですか？

万野：できるだけ早い時期にしたいと思ってます。

　決算公告を行っているか

平木：では次に確認したいのですが、万野株式会社と株式会社おりんぴっく大阪は、決算公告をしていますか？

万野：いいえ、してません。だめなんですか？

平木：はい。特に今回合併手続きを行う場合には、直近に行った決算公告がどこに載っているか、債権者に通知する催告書に記載しなければなりません。

万野：じゃあ、どうしたらいいんですか？

平木：今回合併手続きを行うにあたり、官報への公告が必要となりますので、決算公告も同時期に行う必要があります。会社の登記事項を確認したところ、万博株式会社、株式会社おりんぴっくおおさか共に、公告をする方法は官報に掲載するとなっていますね。
そうであれば、合併公告の掲載時に、決算公告も同時に依頼し、掲載してもらえばよいです。

万野：平木さん、ちなみに掲載費用はどれぐらいかかるんでしょうか？

平木：掲載内容にもよりますが、最低２２万円ぐらいはかかると思います。

　合併手続の時期（効力発生日）と債権者保護手続きの流れ

万野：わかりました。
あと、合併契約書とかは、平木さんにお願いできるんですか？

平木：はい。税理士さんとも打ち合わせていただき、詳しい内容が決まり次第、合併手続に必要な書類などは作成させていただきます。
合併時期については、公告掲載までに１０日から２週間程度は見ていただく必要があるため、正式にご依頼いただいてから、１カ月半程度は見ていただく必要があります。

あと、万博株式会社と、株式会社おりんぴっく大阪の取引金融機関や、買掛金のある取引業者には、合併手続を行うことをお知らせする必要があります。文面としては、合併手続きを行うにあたり、異議のある債権者は期間内に申し出てほしいという内容です。

官報公告の掲載ページが決まり次第、催告書のひな型をお送りしますので、万野社長にはそれまでに、お知らせを送る先のリストをまとめておいていただく必要がありますし、金融機関や、主要な取引先については、通知を送る前に、合併することを知らせておいたほうがよいと思います。

万野：わかりました。

上記のような打ち合わせを行いながら、合併手続きに向けての日程調整を行い、手続きを進めていくこととなります。

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